
ドラッカーを知りたい方には必読
本書は20世紀の大戦を自ら経験したドラッカーが、
より人が幸福になるために考えるべきことを訴えたものです。
「民族・人種」を煽って独裁になったナチスドイツ、
「理想社会」を煽って独裁になったソ連、
そして独裁者という共通項で両国が結びついた。
人々が幸せになるためには、
イデオロギーなるものに個々人が敏感になり、
それが行き着く先を想像しなければならない、
ということを教えてくれる本です。
民族・文化・伝統・宗教・・・どれも人が生きていくうえでは大切なものだと思いますが、
それが対立を生むことも確かです。
個人と個人がそれぞれの個性・多様性を認め合い、かつそれらを超えて交流することが重要なのでしょう。
そうでなければ、ハンチントンのいうように「文明の衝突」がさらに拡大してしまうでしょう。
ドラッカーは、経営学者として著名であり経営者や企業の責任を強く訴えており、
私としては「ちょっと厳しいな」と思っていましたが、
その根底には全体主義への嫌悪があるのだということを、
本書を読むことで理解しました。
組織が多様であり、かつそれぞれが社会に責任を持たなければ、
全体主義になってしまうということだと思います。
ただ、最近はドラッカーが危惧していたように、組織の正当性が揺らいでいます。
組織で働く人は、組織の正当性を今一度再確認する必要があるのでしょう。 ...